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ここで言う「家族経営」とは、必ずしも同族、非同族の法人形態を指す

ものではありません。 たとえば・・ お父さんが社長で、奥様が経理で、

長男が使用人で・・というような経 営形態のことです。

そしてこれは、どこにでもある同族会社の組織形態でもあります。

 

家族で経営している企業のいいところは、

残業や休日などの勤務時間に融通がきく

経営状態に合わせて、柔軟に給与の額を変更できる

身内なので気心が知れている、無条件に信頼できるので仕事を任

 せやすい

次期経営者が早い段階で決定できるので企業の継続がしやすく、対

 外的にも安心感を与えることができる

経営状態が良ければ、身内の給与をどこまでも上げることができる

などがあげられるかと思います。

 

経営状態が良ければ比較的いいことも多いのですが、経営が悪化し

た場合はどうでしょう。

社長自らの給与、奥様の給与は最低限下げることは可能なのかもし

れませんが、その給与で生活している子供の給与を簡単に下げるこ

とはできません。

まして子供に家族がいるとなおさらのことになります。

同じ理由で人員削減もなかなかできません。

そして、何も手が打てないと、最悪会社がなくなります。

子供の給与を下げる、やめてもらう、会社がなくなる・・どれをとっても

子どもにとっては最悪の事態で、結局はその子供を自分の事業に引

き込んだ社長の責任になります。

 

転職できるだけのスキルがあったり、年齢的に若ければ別の道もある

でしょうが、一般社会で通用するだけの能力がなかったり、年齢が高か

ったりした場合には次の仕事はありません。

その時になって「自分で何とかしろ」と言ってみてもどうにもならないこと

です。

子供に、そして家族に恨まれるだけになるかもしれません。

 

逆に自分の父親(社長)の仕事に携わる場合には、子供としても相当

な覚悟が必要なのだと思います。

父を超えるための努力は当然必要となってくるはずです。

ところが家族経営ではその厳しさを勉強することがなかなかできませ

ん。

気が付いた時には「単に今の仕事をこなすだけ」の人でしかなく、スキ

ルも現状の仕事の範囲内だけという、他の仕事ではまったく通用しない

スキル。

自分が努力しなかったことを棚に上げて、その時になって父親(社長)

を責めるのでは、あまりに情けないこと。

 

自分の子供を会社に入れる、あるいは自分の父親の会社に入る場合、

お互いに厳しさがなければ、いずれは不幸な結果が待っているような気

がします。

どちらかに甘い気持ちがあるのならば、やめたほうがいいと思います。

 

 次回予告「二代目は会社をつぶす」・・掲載時期は未定ですけど。

 

 

 09427日 (10318日転載)

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